ゴモラとゼットンはどっちが強い?

 ウルトラマンにおける二大強豪怪獣、古代怪獣ゴモラと宇宙恐竜ゼットン。果たして、強いのはどっちなんでしょう? 大抵の人はゼットンと答えると
思います。小生もそうです。しかし、最近になってゼットンってそんなに強くないのでは?という疑問が生じました。今回は地球最強のゴモラと宇宙最強
のゼットンが闘えば勝敗がどうなるか考察したいと思います。
 
 まず、ゴモラですが1000mの上空から落とされてもビクともしない頑丈な体を有しています。また、頭からの突進でウルトラマンを吹っ飛ばしたり、
ぶっとい尻尾による連打でウルトラマンをダウン寸前に追い込むなど攻撃も優れた怪獣です。しかし、尻尾を切断されてからは他に特徴ある攻撃手段が無
いためウルトラマンに圧倒され角まで折られて戦意を喪失したゴモラは地中に逃げようとしますが、瓦礫に邪魔されて思うように潜れず最後はスペシウム
光線で倒れました。
 次にゼットンですが、テレポートでウルトラマンを翻弄しバリアで攻撃を無効化し肉弾戦でもウルトラマンを圧倒し、最後はウルトラマンが起死回生に
放ったスペシウム光線を吸収して波状光線として撃ち返して倒しました。
 結果からすればウルトラマンに倒されたゴモラとウルトラマンを倒したゼットンでは後者が強いということになります。しかしながら、ロロノア・ゾロ
の言葉を借りれば、ゴモラとゼットンは一度も会敵したことが無く実際に戦って見なければ勝敗がわかりません(大怪獣バトルではゴモラが勝っていまし
たが、あれはレイオニクスバトルという特別な環境下でしかもゴモラは主人公側ですからね。しかも、ウルトラマンとは別作品で何十年も後に制作されて
ますから)。では、シミュレートしてみましょう。その前に2匹の戦闘力を分析してみたいと思います。
 
 まず、攻撃力から見てみましょう。ゴモラの攻撃手段は突進しての頭突きと尻尾による連打で、光線や熱線、火炎放射などの離れた相手への攻撃手段は
ありません。反対にゼットンは顔から赤色や白色の光弾を射出しますが、攻撃力はさほど高くないようです(白色の光弾で科学特別捜査隊の本部の壁を貫
通する程度)。パワーではゼットンが上のようです。
 次に防御力はゴモラは尻尾をマルス133に切断されているのに対し、ゼットンはマルス133が通用しなかったことからゼットンの方が防御力が高い
ということになりますが、タフさではゴモラに軍配が上がるようです。
 最後に特殊能力ですが、ゴモラには地底移動しか無いうえに相手の隙を突いて逃亡するぐらいにしか使えません。地底に潜るのに時間がかかる上に地上
に出る際に派手に土煙を上げている点からして戦闘時に地底に潜って相手の背後に出て不意打ちをするという攻撃ができないからです。一方、ゼットンは
テレポーテーションや光波バリアーの他に敵の光線を受け止めて波状光線にして撃ち返す能力を有していて、後者でウルトラマンを倒すことに成功してい
ます。
 以上の点からして、単純に戦闘力から判断すればゼットンが優勢となりますが、ゴモラがゼットンに勝っている点があります。それは、人間に与えた被
害です。ゼットンが科特隊本部を破壊しただけに対し、ゴモラは大阪市街や大阪城を破壊するという甚大な被害を人間に与えています。それだけではあり
ません。ゴモラによる被害は他の怪獣による被害とは異なる点があります。それは、他の怪獣が日本生まれなのに対し、ゴモラは海外の生まれということ
です。つまり、ザラガスやザンボラーが地上に出てきて被害が出るのはある意味仕方の無いことです。それは誰もせいでもありません。しかし、ゴモラは
海外からわざわざ日本まで運搬されているのです。本来ならゴモラによる被害は発生するはずが無いのが、よりにもよって怪獣から人々を守るはずの科特
隊によって日本に運ばれた挙句にアレですからね。恐らく、科特隊やゴモラの日本運搬を提唱した中谷教授は責任を厳しく追及されたことでしょう。下手
をすればムラマツキャップの解任も有り得たかもしれません。無論、科特隊に全責任があるわけでもなく、むしろ生きた怪獣を万博会場に展示するという
無謀いや乱暴な提案を承認した日本政府に全責任があるといえるでしょう。
 話がそれましたが、それでは実際にゼットンとゴモラが闘えばどうなっていたでしょうか。ゴモラが有利な点といえば、ゼットンは肉体への直接的ダメ
ージに対する耐久力が思っているほど高く無いということです。マルス133にビクともしない頑丈さはありますが、マルスで倒された怪獣は存在しませ
ん。さらに、無重力弾であっけなく倒されていることや2代目がスペシウム光線の直撃を受けて爆発四散していることなどから、ゼットンは防御のかなり
の部分をバリアーや光線を吸収する能力に頼っており、肉体の直接防御をおざなりにしたと言えるでしょう。もっとも、ゼットンはウルトラマンとの戦い
を想定した怪獣とされており、それはそれでウルトラマンの弱点を突いた見事な策と言えます。しかし、対ウルトラマン戦に絞りすぎたことが科特隊に思
わぬ不覚を取ることにもなったのですが。
 ゴモラがゼットンに勝つ唯一の方法は、尻尾による連打しかありません。ゼットンの反撃を許さないぐらいの猛打で体力を徐々に削っていくしかゴモラ
に勝機はありません。この時厄介なのはゼットンのテレポーテーションですが、それをさせる暇を与えずに尻尾を振り振りできるかどうかがゴモラの運命
の分岐点と言えるでしょう。もし、テレポーテーションを許してしまったら頑張って尻尾の攻撃範囲に入れるようにするしかありません。この時、注意し
なければならないのは、ただ近づいて尻尾を振っても避けられてしまうか最悪尻尾を掴まれジャイアントスイングで投げ飛ばされて岩に顔面激突という事
態になることで、頭からの突進でゼットンを吹っ飛ばして態勢を立て直される前に尻尾でダメージを与えていくことが恐らくベストでは無いでしょうか。
 逆にゼットンがゴモラに勝つにはどうしたらいいでしょうか。ゴモラの前には光波バリアも光線吸収能力も意味を成しません。肉弾戦ではスマートでパ
ワーもあるゼットンが優勢ですが、ゴモラには尻尾による強力な一撃があるため注意しなければなりません。テレポーテーションでゴモラを翻弄して、離
れた場所からの白色光弾もしくは赤色火球による攻撃で徐々にダメージを与えていくのが良いと思われます。
 二匹が近寄っていたら尻尾攻撃が強烈なゴモラが有利、離れていたら遠距離攻撃が可能なゼットンが有利ということになりますが、ゼットンにとって不
利なのは相手に近寄らずに離れた場所からチマチマと攻撃するという姑息な手段を考えられるだけの頭が恐らく無いだろうということです。いつもゼット
ンはゼットン星人やバット星人にケイトといった御主人様がいて、その人たちから命令を受ける下僕怪獣でしかありません。頭を使って戦うことがあまり
無いと思われ事実、命令者のバット星人を帰ってきたウルトラマンに殺された2代目は自身もその後すぐに殺されてしまいました。
 頭脳戦が不得意なのはゴモラも同様で、恐らくこっちの方が頭を使った戦い方は不適でしょう。しかし、ゴモラは野生の闘争本能というものがあります。
飼い慣らされたゼットンには到底望むことのできないそれをフルに活用すればゴモラの勝利も夢ではありません。ただし、尻尾が切断されてしまったら、
他に強力な攻撃手段が無いゴモラはレッドキングよりも劣る攻撃力しかなくなるためゼットンにいいように嬲り殺しにされることでしょう。
 とまあ、実際の勝敗がどうなるかはわかりません。ゴモラが好きな人ならゴモラが勝つようにシミュレートするでしょうし、ゼットンが好きな人なら同
じようにするでしょう。個人的な見解を言わせてもらえば……難しいところですね。
 
 さて、ゼットンが勝利したとしたらウルトラマンに登場する宇宙怪獣でゼットンが最強ということになりますが、ゴモラが勝ったとしても地球最強の怪
獣にはなりません。冒頭でゴモラが地球最強としましたが、それはウルトラマンとの対戦の結果から判断したことで、ゴモラよりも強いと思われる地球怪
獣は何体かいます。まずはケムラー。ケムラーの毒ガスにはゴモラも耐えられないでしょう。また、スペシウム光線にも耐えるぐらいの皮膚の頑丈さもあ
りゴモラは多分勝てないでしょう。他にはアボラスがいます。
 青い怪獣アボラスはスペシウム光線を2回浴びても耐えられるゴモラ以上の頑丈さと怪獣一匹まるごと溶かしてしまう泡が武器で、バニラみたいに炎で
相殺できないゴモラは大変不利となります。そう考えると泡を全身に浴びても平気だったウルトラマンの頑丈さは驚嘆に値します。ゼットンがウルトラマ
ンを倒せたのは波状光線がカラータイマーに当たったからにすぎません。もし、光線が他の部分に当たっていたらウルトラマンも倒れるようなことにはな
らずにゼットンは科特隊の無重力弾にやられるか、弱点(肉体そのものはキーラほど頑丈では無いという)を見抜いたウルトラマンに防御ができないよう
な状態にされてスペシウム光線を浴びせられて倒されるかしたでしょう。もっとも、ウルトラマンがゼットンの弱点を見抜く保証はありませんが、数多く
の怪獣や宇宙人と戦ってきたウルトラマンならそれぐらい見抜くでしょう。やっぱ、ウルトラマンが一番ですね。
 
 最後にどうしてもゼットンとゴモラの勝敗をつけるとしたらやはりゼットンに軍配が上がると思います。それは有名な一兆度のゼットン火球が本当にあ
ったらの話です。しかし、一兆度ですよ。もし、そんなのが実際にあったとしてそれが放たれたとしたらその時点で敵はおろか放った本人もろとも地球最
後の日です。それに、ゼットンは侵略兵器です。侵略=その星への植民であるならば一兆度の火球というものは明らかにオーバースキルすぎるのではない
でしょうか(スキルだけにすぎる……)。そう考えると一兆度というゼットン火球は存在しないと考えるのが妥当で、せいぜいウルトラマンのキャッチリ
ングを妨害する程度の威力の赤色火球しかないのが実状でしょう。それでも、飛び道具がある分ゼットンが優勢ということになると思います。というわけ
で結論、ゴモラとゼットンが闘ったらゼットンが勝つ。
 
 
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