ガンダムに登場する御姫様

 
 ガンダムシリーズはアニメ作品である以上ヒロインというものは重要なファクターとなっています。基本的に美女しか登場
しないのもアニメだからでしょう。そこで今回は女性キャラクターの中で姫という身分の人たちを取り上げてみたいと思いま
す。ちなみにこの場合の姫とは父もしくは母親が国家の君主という地位に就いているまたは就いていた女性のことです。とい
うのも姫は王族だけでなく貴族や日本でいう大名家の御息女も含まれるからです。厳密に言えば姫ではなく王女と呼称すべき
なんでしょうね。                                                
 
 
セイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)                                  
 この人を姫とするのはどうかと思いますが、ランバ・ラルから「姫様か?」と呼ばれていたし、親父さんが建国の父という
君主に近い立場だったので本人のストーリーにおける地位も考慮して例外として扱います。               
 一年戦争時の年齢はたしか17歳だったと思います。アニメでは子供時代は描写されていないので、父親が生前の頃は何不
自由なく育って、父親が死んだ後は追われるように故郷を出て名前と身分を偽って生活していただろうということしかわかり
ません(ジ・オリジンではサイド3から地球・テキサスとセイラの子供時代が描かれていたが本作品はアニメと設定が異なり
すぎるため本稿では取り上げない)。この時にマス家の養子となって名をセイラと改めています。姓だけでなく名も変えたの
はアルテイシアという名は目立ちすぎるからでしょう。その点、コードギアスのルルーシュとナナリーの兄妹は迂闊すぎるで
しょう。                                                    
 サイド3にいた頃は言うまでも無く養子先となったマス家も名家らしい(戦後、その財産で株式投資で生計を立てていた)
のでお姫さまみたいな暮らしをしていたと思われます。しかし、ガンダムではその面影を見ることはできません。ガンダムで
のセイラは淑女とはあまりいえないような女性となっています。ただ、ホワイトベースでランバ・ラルと鉢合わせになったと
きに怯んだラルに「アルテイシアと知って何故銃を向けるか」と一喝しているシーンがあり自分が普通の家の生まれではない
ことは自覚しているようです。ホワイトベースに淑女とは如何なるものかをレクチャーしてくれる人がいればよかったのです
が、残念なことにそういう人はいませんでした。強いていえば同じく名家のヤシマ家のミライさんがいますが、彼女はホワイ
トベースのお袋さん(スレッガー中尉の弁)としてクルー全員のことを見らければならないのでセイラに淑女とは何たるかを
教える暇はありませんでした。                                          
 
 
キシリア・ザビ                                                 
 この人も姫と呼ぶのに違和感があると思いますが、ジオン公国の公王の娘なので立派な姫です。セイラさんと違って正真正
銘の姫ですが、お淑やかとは無縁の存在であるという点では似たもの同士といえます。人相からしてお姫さまではありません
からね。それはガルマ様をのぞくザビ家の方々に言えることですが。ドズル閣下もあの顔で王子(公子?)様ですから。  
 
 
ミネバ・ラオ・ザビ                                               
 初登場時は生まれて間もない赤子でしたが、父をはじめザビ家の面々がことごとく死亡したためジオン公国の後継者として
擁立されました。伯母のキシリアと違ってこちらはお姫様と呼んでも違和感はないと思います。容姿は母親の遺伝子が勝って
よかったねといったところでしょうか。父親の遺伝子が勝っていたらネオ・ジオンの総帥には擁立されなかったと思います。
 
 
ベラ・ロナ(セシリー・フェアチャイルド)                                    
 ロナ家の総帥マイッツァーの孫娘で宇宙世紀0123年時点で唯一の直系(他にも伯父の子供であるシェリーとディナハン
の姉弟がいるが、彼らを大伯父のエンゲイストの子供とする設定もある。また、シェリーは宗教団体の教祖、ディナハンは官
僚という立場のためマイッツァーの後継となる身ではなかった)であるためコスモ・ザビロニアのアイドル(女王)として迎
えいれられました。                                               
 
 
ベルナデット・ブリエット(テテニス・ドゥガチ)                                 
 木星帝国総統の娘。義母にもっと栄養のあるものを食べさせるべきだったかと悩ませるぐらいの貧乳キャラですが、近年の
ガンダムヒロインの中では希少な存在でしょう。密航が得意という行動的なお姫様でした。               
 
 
シャクティ・カリン                                               
 ザンスカール帝国女王(女帝が正確なのだが)の娘。その身を利用されないようにするため長らくその存在を秘されていま
した。母親の死後は女王の地位に就いたようです(即位はしていない)。Vガンダムを見たのがずいぶんと前なのでよく覚え
ていないのですが、戦闘中にパニくって背負っていたカルルマンが泣き叫ぶのも無視して、種を植えているシーンがありまし
た。                                                      
 
 
リリーナ・ピースクラフト                                            
 この方はガンダムでのセイラ的位置にいる人ですが、セイラとちがって躾が行き届いているのか淑女としても振舞いも身に
着けています。自分を殺すといった相手にお辞儀してダンスに誘うといった肝っ玉のすわった一面もありますが、その相手=
ヒイロ・ユイを追いかけて転校してしまった理由が自分の悲しみが癒えるまで支えなければならないのに逃げてばっかしとい
う自分勝手なものだったり、ヒイロが宇宙に戻ると早く自分のもとに戻るよう空に叫ぶなどいつの間にかヒイロを自分のもの
と錯覚するようになっていました。裕福な家庭に育ち、欲しいものは何でも買ってもらえたお嬢様だからでしょうか、自分が
欲しいと思ったものは何でも手に入ると思っているようです。また、ヒイロに惹かれるものを感じて追いかけていったのはソ
ロ船長とレイア姫の例を見るまでも無く、お嬢様は危険な匂いがする男に惹かれてしまうというお約束からでしょう。ヒイロ
もリリーナ嬢に惹かれるものを感じていたようで最終決戦の前にリーブラに潜入して彼女を連れ出しています。本人はリリー
ナが敵艦の中にいたらノインたちの気持ちが鈍ると言っていますが、リリーナを救出するための方便であることは誰からも見
抜かれていました。ただ、リリーナは自分がヒイロの中で大きな存在になっていたとは気付いてなかったようで彼が来たとき
は驚いていました。ちなみにリリーナは世界国家元首というガンダムヒロインではもっとも出世した人です。       
 
 
カガリ・ユラ・アスハ                                              
 ガンダムシリーズにはお姫様なのにそうは見えない人が見受けられますが、このカガリ嬢はその最たる例ではないでしょう
か。初登場時にはその格好からかキラに男と間違われてました(ただし、それに対して怒っているので少なくとも自分が女で
ある自覚は持っていた様)。他にも人目憚らずにキラに抱きつくなどオーブでの躾はどうなっているのかと疑問に思います。
擁立されて指導者の地位に就いたけど実体は傀儡にすぎなかったが、後に指導力を発揮したという点ではリリーナ・ピースク
ラフトに似ていますが、リリーナがその傀儡という立場を自分の指導力(ドロシーによる裏工作があったにせよ)で打破した
のに対しカガリはザフトによるオーブ侵攻という緊急事態でなければ国に戻ることもできませんでした。彼女がピーチクさえ
ずる小鳥みたいな存在でしかないということは国家指導者の間では周知のようで、アズナブルデュランダル議長は国家元首で
ある彼女を姫と呼んだりして軽く見ていました。それでも最終的には国の代表として戦争を終結に導きました。      
 
 
マリナ・イスマイール                                              
 設定年齢が24歳とガンダムヒロインではかなりの高齢(?)ですが、国家を指導する立場の人間が10代だという設定の
ほうが無理があって現実に考えるならこれでも若すぎるでしょう。アザディスタン王国の第一王女(サンライズの公式サイト
では皇女と表記)だそうですが、国家元首なら女王と名乗るべきではないでしょうか。主人公の刹那との年齢差も8歳と離れ
ているのでこれからの展開が楽しみです。                                     
 
 
 
 
 
 
もどる
 
トップへ